2013年03月24日

光に消えていく少女たち

某日某所で、武井裕之さんという方の写真展を見た。
テーマは「はつ恋」。
十代の少女たちの一瞬をモノクロの印画紙に写しとった
いくつかの風景。写真の中の少女たちはどれも一人で、
ただ光だけが寄り添っていた。

階段の踊り場のような場所に佇む少女。
身体の何か所かから放たれる光の粒。
浅瀬に膝までつかった少女。水面に落ちる輝きは、
彼女が呼びこんだものか。

わたしが一番気に入ったのは、歩いていく姿を後ろから
捉えた写真。少女の前には明るい光があって、彼女の身体
の何割かがその光によって消えようとしていた。

これらの展示に魅かれる理由はこれなのだな、と思った。
少女たちはやがて消えていく。時間という魔術がこの世界
を支配する限り、それは避けられない。少女たちはそして、
現実という生き物が無数に棲む世界で呼吸をする事になる。
それを知りそこにどっぷり使ってしまったわたしたちにとっては、
それは闇にのまれようとする後ろ姿と見るのが正しいのかもしれない。
けれども少女たちは光に向かって進んで行く。輝きと一体になっていく。
歩いて行く先の時間の中にいるはずのわたしが、どうして少女が光に
包まれていくという幻のような写真に魅入ってしまうのか。そんな
どうしようもない理屈を外れた美しさを、きっとわたしは見たかった
のだろう。

武井裕之さんのWebサイト

はつ恋(オンライン上のギャラリー)

ちなみにわたしが最も気に入った作品は壁掛けの展示にはありませんでした(ギャラリーに
あった作品集の中で見たものです。オンライン上のギャラリーにも掲載はありません)。
また違う雰囲気で気に入った写真もオンライン上にはありません。またどこかで見たい
と思っています。
展示にあった作品、無かった作品。どの作品も様々な雰囲気があって、魅力的です。
posted by ryuga at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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